ふるさと納税は年末調整では控除されません|会社員の手続きは2通り。2026年は年末調整で所得税が多めに戻ります
最終更新日: 2026-09-24
先に結論
- ふるさと納税は年末調整では控除されません。控除を受ける方法は「確定申告」と「ワンストップ特例」の 2 つだけです(国税庁 No.1155)。どちらも会社を通しません。
- 確定申告が要らない会社員で寄付先が 5 自治体以内ならワンストップ特例(寄付した翌年の 1 月 10 日必着)。医療費控除などで確定申告をするなら、ふるさと納税も確定申告に書きます。
- 2026 年は 12 月の年末調整で、所得税の基礎控除の引上げ分が精算されます(国税庁)。年収 500 万円・独身なら例年より約 2.8 万円多く戻る計算です。
- ただし戻る額が増えても、ふるさと納税の上限は増えません。上限を決める住民税の基礎控除は引き上げられておらず、年収 500 万円前後は所得税の税率が下がるぶん上限が下がります。
11 月ごろに年末調整の書類を書いていると、「ふるさと納税はここに書くのか」と迷います。書く場所はありません。年末調整は会社が 1 年分の所得税を精算する手続きで、ふるさと納税の控除はそれとは別の道で受けるからです。この記事では、会社員が年末調整の前後で何をすればいいかを整理し、2026 年だけの変化(基礎控除の引上げが年末調整で精算される)を当サイトの計算エンジンで数字にしました。
年末調整で控除されない理由
国税庁は、ふるさと納税の控除を受けるにはふるさと納税を行った年分の確定申告が必要で、確定申告が不要な給与所得者は寄付先が 5 団体以内に限り寄付先への申請(ワンストップ特例)でも受けられる、と説明しています(国税庁 No.1155)。控除の道はこの 2 つで、年末調整は含まれていません。
| あなたの状況 | 控除の受け方 | 期限 |
|---|---|---|
| 確定申告をしない会社員・寄付先が 5 自治体以内 | ワンストップ特例(寄付先に申請書) | 寄付した翌年の 1 月 10 日必着 |
| 寄付先が 6 自治体以上 | 確定申告 | 翌年 3 月 15 日 |
| 医療費控除・住宅ローン控除の 1 年目などで確定申告をする | 確定申告にふるさと納税も書く(ワンストップ特例の申請は無効になる) | 翌年 3 月 15 日 |
確定申告をするとワンストップ特例の申請は無効になるので、申請した分も含めて確定申告書に書きます(国税庁 No.1155)。どちらを選ぶかはワンストップ特例と確定申告の比較やワンストップ判定で確かめられます。確定申告の期限は翌年 3 月 15 日です(総務省)。
2026 年は年末調整で所得税が多めに戻る
2026 年分の所得税は、基礎控除が引き上げられました(合計所得 489 万円以下は 104 万円、489 万円超 655 万円以下は 67 万円、655 万円超 2,350 万円以下は 62 万円)。国税庁によると、2026 年 11 月までの給与の源泉徴収は変わらず、12 月の年末調整で引上げ後の基礎控除で 1 年分の税額を計算し直して精算します。11 月までは改正前の基準で引かれているので、その差が 12 月にまとめて戻ります。
| 年収(独身) | 改正前の基準の所得税 | 2026 年分の所得税 | 例年より多く戻る目安 |
|---|---|---|---|
| 300 万円 | 35,224 円 | 27,056 円 | 約 8,200 円 |
| 400 万円 | 65,344 円 | 57,176 円 | 約 8,200 円 |
| 500 万円 | 117,925 円 | 90,358 円 | 約 27,600 円 |
| 600 万円 | 184,290 円 | 147,534 円 | 約 36,800 円 |
| 700 万円 | 282,306 円 | 274,138 円 | 約 8,200 円 |
当サイトの計算エンジンによる概算です(給与収入のみ・社会保険料は収入の 15%・復興特別所得税を含む)。実際に戻る額は、11 月までに引かれた額や他の控除で変わります。年収 500 万円と 600 万円で差が大きいのは、この帯の基礎控除の上げ幅が 36 万円と大きいためです(500 万円は税率の段も 10% から 5% に下がります)。
戻る額が増えても、上限は増えない
ふるさと納税の上限を決めているのは住民税の所得割です(国税庁 No.1155。住民税の特例分は所得割額の 20% が限度)。今回引き上げられたのは所得税の基礎控除で、住民税の基礎控除(43 万円)は今回の改正に入っていません(財務省「令和8年度税制改正の大綱」の地方税の項目)。だから住民税の所得割は変わらず、上限も基本的には変わりません。
| 年収(独身) | 改正前の税制での上限 | 2026 年分の上限 |
|---|---|---|
| 400 万円 | 42,167 円 | 42,167 円(同じ) |
| 500 万円 | 61,029 円 | 57,480 円(下がる) |
| 600 万円 | 77,322 円 | 77,322 円(同じ) |
| 700 万円 | 108,208 円 | 108,208 円(同じ) |
年収 500 万円で上限が下がるのは、所得税の税率が 10% から 5% に下がるためです。上限の式では所得税率が低いほど住民税の特例分の負担が大きくなり、上限が小さく出ます。年末調整で多く戻ったからといって、寄付を増やす理由にはなりません。自分の上限は控除上限シミュレーター(2026 年分の税制で計算)で確かめてください。
年末調整で所得税が 0 円になった人
住宅ローン控除や収入の少なさで、年末調整の結果所得税が 0 円になる人がいます。当サイトの計算では、2026 年分は独身・社会保険料 15% の場合、給与収入がおおむね 210 万円に届かなければ所得税は 0 円です。
| 控除の受け方 | 所得税が 0 円の人がやること |
|---|---|
| ワンストップ特例 | いつもどおり寄付先に申請するだけ。控除は全額が住民税から引かれる |
| ワンストップ特例を使わず、住民税からだけ控除を受ける | 住民税に関する申告書を、住んでいる市区町村に出す(総務省) |
総務省は、年末調整などで所得税が 0 円になり、住民税からだけ控除を受ける人は、住民税に関する申告書を住んでいる市区町村に出す必要があると案内しています。住宅ローン控除と併用している人の上限の考え方は住宅ローン控除との併用にまとめています。
よくある質問
会社にふるさと納税をしたと伝える必要はありますか?
ありません。控除の道はワンストップ特例(寄付先に申請)か確定申告(税務署に申告)で、どちらも会社を通しません(国税庁 No.1155)。年末調整の書類にも書きません。
年末調整が終わった 12 月に寄付しても、今年の分になりますか?
なります。年末調整とは関係なく、12 月 31 日までに決済が済んだ寄付がその年の分です。決済方法によって締切が早いサイトがあるので、決済方法別の締切で確かめてください。
年末調整で例年より多く戻りました。寄付を増やしてもいいですか?
上限は増えていません。2026 年に引き上げられたのは所得税の基礎控除で、上限を決める住民税の基礎控除は引き上げられていません(財務省 大綱)。年収 500 万円前後では税率が下がるぶん、上限はむしろ下がります。
医療費控除で確定申告します。ワンストップ特例の申請書は出してしまいました。
確定申告をするとワンストップ特例の申請は無効になります。申請した分も含めて、その年のふるさと納税を全部確定申告書に書いてください(国税庁 No.1155)。書き忘れた場合の直し方はワンストップ申請を忘れた時にまとめています。
年末調整で所得税が 0 円でした。ふるさと納税は無駄になりますか?
住民税の所得割があれば無駄になりません。ワンストップ特例なら全額が住民税から引かれます。確定申告をしない場合は、住民税に関する申告書を市区町村に出します(総務省)。住民税の所得割も 0 円なら、控除される税金がないので全額が自己負担です。
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この記事を書いている立場について
本サイト「ふるさと控除ラボ」はポータルサイトではなく、寄付の受付も返礼品の発送も行っていません。だから「戻る額が増えても寄付を増やす理由にはならない」と書けます。記事の下書きには生成AIを補助的に使い、公開前に運営者本人が国税庁・総務省・財務省の公表資料と突き合わせて確認しています。
金額は当サイトの控除上限シミュレーターの計算式(2026 年分の税制・国税庁の今年分の表と毎日照合)で出した概算です。実際の額は社会保険料の実額や他の控除で変わります。
出典
- 国税庁 タックスアンサー No.1155「ふるさと納税(寄附金控除)」— 控除には確定申告が必要(確定申告不要の給与所得者は 5 団体以内ならワンストップ特例)/確定申告をするとワンストップ特例の申請は無効/住民税特例分は所得割額の20%が限度 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1155.htm
- 国税庁「源泉所得税の改正のあらまし(令和8年4月)」— 令和8年分の基礎控除(104/67/62万円)・11月までの源泉徴収は変更なし・12月の年末調整で精算 https://www.nta.go.jp/publication/pamph/gensen/2026kaisei.pdf
- 財務省「令和8年度税制改正の大綱」— 所得税の基礎控除の引上げ(住民税の基礎控除は改正項目に含まれない) https://www.mof.go.jp/tax_policy/tax_reform/outline/fy2026/20251226taikou.pdf
- 総務省「ふるさと納税のしくみ|税金の控除について」— 確定申告は翌年3月15日まで/所得税が0円で住民税からのみ控除を受ける方は住民税に関する申告書を市区町村へ https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/jichi_zeisei/czaisei/czaisei_seido/furusato/mechanism/deduction.html
- 所得税額・控除上限額の計算: 当サイトの計算エンジン(2026 年分の税制・国税庁の今年分の表と毎日照合)