ふるさと納税はいつまで?間に合わなかったとき、いくら損するのか

最終更新日: 2026-08-25

先に結論

  • 期限は3つあります。寄付は12月31日の決済完了まで、ワンストップ特例の申請書は翌年1月10日必着、確定申告は翌年3月15日ごろまで。
  • 12月31日に間に合わなくても、その年の寄付をやめるだけなら損は0円です。寄付が翌年分になるだけで、実質2,000円の関係は変わりません。
  • 損が出るのは翌年も例年どおり寄付する人です。持ち越した分が翌年の枠を先に食うため、年収700万円が10万円を持ち越して翌年も10万円寄付すると、自己負担が2,001円から84,612円になります。
  • 12月の上限額は「見込み」でしかありません。そして枠を余らせた損と、枠を超えた損は同じではありません。下振れの損は実質0円、上振れの損は超過額の約90%です。迷ったら少なめに寄付してください。
  • 1月10日に間に合わなくても、確定申告に切り替えれば普通は同じだけ戻ります。損をするのは住宅ローン控除で所得税が0円になっている人だけです。

「ふるさと納税はいつまで」を調べている人の多くは、期限そのものより間に合わなかったらどうなるのかを知りたいはずです。ところが期限を解説しているページの多くは、そこを「超えた分は自己負担になります」の一行で終えています。金額が分からないと、慌てなくていい場面で慌て、慌てるべき場面で気づけません。

このページの金額は、どこかの表を書き写したものではありません。当サイトが公開している計算エンジンに実際に計算させた出力です。総務省の公表値と突き合わせた結果も公開しています。

1. 期限は3つある

ひとまとめに「12月31日まで」と言われますが、期限は手続きごとに3つあります。1つ目を過ぎたら終わりですが、2つ目は3つ目で代わりが利きます。

手続き期限過ぎたらどうなるか
寄付(決済)その年の12月31日翌年分の寄付になる。代わりの手段はない
ワンストップ特例の申請翌年1月10日 必着確定申告で代わりが利く(下の4章)
確定申告翌年3月15日ごろ5年以内なら還付申告でやり直せる

「12月31日まで」は、決済が終わった日で決まる

基準になるのは申し込んだ日ではなく、自治体への入金が完了した日です。同じ12月31日に手続きをしても、決済方法によって年内に入るか翌年に回るかが変わります。

決済方法締切の目安年をまたぐ危険
クレジットカード12月31日 23:59まで低い(即時決済のため)
PayPay等のスマホ決済12月31日 23:59まで(サイトによる)低い〜中
コンビニ払い・銀行振込自治体により12月27〜28日ごろ高い(年末は金融機関が閉まる)

※ 締切日時は自治体・ポータルサイト・決済方法ごとに毎年見直されます。実際に寄付する前に、利用するサイトと寄付先自治体の当年の案内を必ず確認してください(出典は末尾)。

2. 間に合わなかったら、いくら損するのか

その年の寄付をやめるだけなら、損は0円

まず落ち着いてください。12月31日を過ぎて寄付が翌年分になった場合、その寄付自体が無駄になるわけではありません。翌年分の寄付として、翌年の年収に対する上限の中で普通に控除されます。自己負担は2,000円のままです。

つまり「今年はもう寄付しない」で終わらせるなら、損失は1円もありません。控除されるのが1年先になるだけです。ここで慌てて何かをする必要はありません。

損が出るのは、翌年も例年どおり寄付する人

問題は毎年ふるさと納税をしている人です。持ち越した寄付は翌年の枠を先に食います。それを忘れて翌年も例年どおり寄付すると、合計が上限を超えます。年収700万円・独身(上限108,208円)が、10万円を翌年に持ち越した場合を計算しました。

翌年の動き方控除される額 自己負担上限超過
翌年は追加で寄付しない
翌年の寄付合計 100,000円
97,999円2,001円
翌年は控えめに5万円だけ寄付する
翌年の寄付合計 150,000円
110,388円39,612円41,792円
翌年も例年どおり10万円寄付する
翌年の寄付合計 200,000円
115,388円84,612円91,792円

ワンストップ特例・年収700万円・独身または共働き。社会保険料は年収の15%で概算。

持ち越した10万円だけで止めれば自己負担は2,001円です。ところが翌年も例年どおり10万円寄付すると、合計200,000円のうち91,792円が上限を超え、自己負担が84,612円に跳ね上がります。差は82,611円です。

これが「12月31日に間に合わなかった」ことの本当のコストです。期限を過ぎた瞬間に損が確定するのではなく、翌年の寄付額を調整しなかったときに初めて損が出ます。

損しない持ち越し方

やることは1つだけです。翌年の寄付額を、持ち越した分だけ減らす。年収700万円・上限108,208円で10万円を持ち越したなら、翌年に追加で寄付できるのは残りの8,208円までです。

持ち越し分を含めた合計が上限内に収まっていれば、自己負担は2,000円のままです。上限額シミュレーターで翌年の上限を出し、そこから持ち越し分を引いた額を使ってください。

3. 12月の「上限額」は見込みでしかない

「年末なら年収が確定しているから上限を正確に出せる」とよく言われますが、正確には12月分の給与と賞与が支給されるまで年収は確定しません。12月上旬に寄付する人は、見込みで計算していることになります。

枠を余らせた損と、枠を超えた損は同じではない

ここが年末の判断でいちばん効くところです。上限の前後で寄付額を振って、自己負担がどう動くかを計算しました。

寄付額控除される額 自己負担2,000円からの増分
上限より3万円少なく寄付
78,208円
76,209円1,999円実質なし
上限より1万円少なく寄付
98,208円
96,209円1,999円実質なし
上限ちょうど
108,208円
106,209円1,999円実質なし
上限より1万円多く寄付
118,208円
107,209円10,999円約8,999円
上限より3万円多く寄付
138,208円
109,209円28,999円約26,999円

ワンストップ特例・年収700万円・独身または共働き。上限は108,208円。端数処理の関係で自己負担が1,999円と出る行がありますが、実際の自己負担は2,000円です。

形がまったく違います。上限を下回った側は、いくら余らせても自己負担は2,000円のままです(返礼品をもらい損ねるだけで、金銭的な損はありません)。一方上限を超えた側は、超過額1円につき約0.9円が自己負担になります。1万円超えれば約8,999円、3万円超えれば約26,999円です。

見込みで寄付するなら、必ず低めに外してください。下振れの損は0円、上振れの損は超過額の約90%です。

なぜこうなるのかは住民税決定通知書チェッカーで説明しています。住民税の特例分が所得割額の20%で頭打ちになるためで、超えた分は手続きをやり直しても戻りません。

年収の見込みが税率の境目をまたぐと、上限が跳ぶ

上限額は年収に対してなだらかに増えるわけではありません。所得税率が変わる年収で、階段状に跳びます。

その年の年収所得税率 ふるさと納税の上限額
600万円10%77,322円
650万円10%85,469円
670万円10%88,978円
680万円20%103,897円
税率が変わり 14,919円 跳ぶ
700万円20%108,208円
750万円20%118,987円
800万円20%129,766円

独身・共働き。社会保険料は年収の15%で概算。

年収670万円と680万円の差はわずか10万円ですが、上限額は14,919円も違います。所得税率が10%から20%に変わるためです。

この境目のすぐ上にいるつもりで寄付して、実際には下だった場合の損は大きくなります。年収700万円のつもりで108,208円寄付した人の実際の年収が650万円だったら、上限は85,469円なので22,739円が超過し、自己負担は22,465円になります。

賞与の額が読めない年や、転職・休職があった年は、境目の1つ下の年収で計算しておくのが安全です。

4. ワンストップ特例が1月10日に間に合わないとき

確定申告に切り替えれば、普通は同じだけ戻る

年末に寄付すると、自治体から申請書が届くのを待っているうちに1月10日を過ぎることがあります。この場合確定申告に切り替えれば控除は受けられます。ワンストップ特例は確定申告を省くための制度であって、控除そのものの条件ではありません。

手続きの詳細はワンストップ申請を忘れたときにまとめています。

ただし、切り替えると損をする人が1種類だけいる

「どちらでも同じ」は、ほとんどの人には当てはまりますが例外があります。住宅ローン控除で所得税が0円になっている人です。確定申告の寄附金控除は所得税から引く仕組みなので、引く所得税が無いとその分が消えます。ワンストップ特例なら住民税が肩代わりするため、この問題は起きません。

年収600万円・独身で60,000円寄付した場合を、住宅ローン控除の額別に計算しました。

住宅ローン控除の年間額上限額 ワンストップの
自己負担
確定申告に
切り替えた場合
0円77,322円2,000円2,000円変わらない
100,000円77,322円2,000円2,000円変わらない
150,000円77,322円2,000円2,000円変わらない
200,000円64,444円2,000円7,922円+5,922円

年収600万円・独身、寄付60,000円。どの行も上限内。

住宅ローン控除が200,000円ある人は、ワンストップなら自己負担2,000円のところ、確定申告に切り替えると7,922円になります。手続きを変えただけで5,922円損します。該当しそうな人は住宅ローン控除との併用で自分の位置を確認してください。

この層は、年末ぎりぎりの寄付を避けて1月10日に確実に間に合う時期に寄付を済ませる意味が、他の人より大きいことになります。

申請書は「自治体によって異なることがある」

申請書が届くのを待たずに自分で用意する方法もありますが、総務省は「ふるさと納税先の自治体によって、申請書が異なることがあります」と明記しています。共通様式をどこかから拾って送るのではなく、寄付した自治体のサイトから、その自治体の様式を入手してください。マイナンバーカードによるオンライン申請に対応している自治体もあります(対応状況は自治体ごとに異なります)。

5. 年末までの逆算

上の3つを踏まえると、動く順番は決まります。

申し込む日を入れると、その日から何日あるかを計算します(締切の逆算)。年明けに見た場合は、去年ぶんの手続きの残り日数を先に出します。

時期やること理由
〜11月上限額の見込みを出し、枠の半分程度まで寄付返礼品の品切れと決済の混雑を避けられる
12月の給与明細が出たら年収を確定させて上限を出し直す12月分の給与・賞与が入るまで年収は確定しない
12月中旬残りの枠を、見込みより少なめに使う下振れの損は0円、上振れの損は超過額の約90%
寄付のたびワンストップ特例の申請書をその場で出すあとでまとめてやると1月10日に間に合わない
翌年1月10日間に合わなければ確定申告へ切り替え控除額は基本的に変わらない(住宅ローン控除がある人を除く)

よくある質問

12月31日に申し込みましたが、決済完了が1月1日になりました。どちらの年ですか

翌年分です。基準は自治体への入金が完了した日で、申し込みボタンを押した日ではありません。クレジットカードの即時決済なら押した瞬間に完了しますが、コンビニ払いや銀行振込は支払った日が基準になります。

1月に寄付したら、控除されるのは1年半後ですか

住民税から引かれるのは翌年6月以降です。2027年1月に寄付すると、2027年分の所得に対する控除として2028年6月からの住民税が減ります。確定申告をした場合は所得税分がその年の申告時に還付されます。詳しくはいつの年収で計算するかにまとめています。

返礼品が届くのが翌年になっても大丈夫ですか

問題ありません。控除の対象になるかどうかは寄付(入金)の日で決まります。返礼品の発送時期は関係ありません。年末に寄付すると発送が翌年2〜3月になることは普通にあります。

年末に上限を超えてしまいました。今から取り消せますか

寄付の取り消しはできません。ふるさと納税は自治体への寄付で、原則として返金されません。超えた分は控除されず自己負担になります(超過額の約90%)。翌年の寄付額を減らして取り返すこともできません。年ごとに独立した計算だからです。

ワンストップの申請書を出したあとに、確定申告が必要になりました

確定申告をするとワンストップ特例は無効になります。申請済みの寄付も含めて、全件を確定申告書に書き直してください。書き漏らすとその分の控除が受けられません。医療費控除や住宅ローン控除の1年目で確定申告をする人は、必ずここを確認してください。

あわせて読む

出典

  • 総務省「ふるさと納税のしくみ/税金の控除について」 控除額の計算式、住民税所得割額の20%上限
  • 総務省「ふるさと納税ポータルサイト/制度改正について(2015年4月1日)」 ワンストップ特例の適用条件、申請書が自治体によって異なること、オンライン申請
  • さとふる「ふるさと納税の申し込み期間・期限について」 決済方法別の締切
  • ふるさとチョイス「年末年始の重要なお知らせ」 年内の寄付申し込み期限、ワンストップ特例の申請期限
  • 国税庁 No.2030「還付申告」 5年以内のやり直し

金額はすべて当サイトの計算エンジン(src/simulator.js)の出力です。社会保険料は年収の15%として概算しています。実際の控除額は自治体の計算によります。