年金受給者のふるさと納税|上限額の考え方と、給与がある場合

最終更新日: 2026-08-19

年金を受け取っている方でも、ふるさと納税はできます。ただし上限額は現役時代よりかなり小さくなるのがふつうで、場合によってはそもそも控除が受けられないこともあります。年収の数字だけで判断すると自己負担が増えるので、順に確認します。

まず確認: 住民税を払っているか

いちばん大事な前提です。ふるさと納税は納めている税金から控除される仕組みなので、住民税・所得税を払っていない方は控除を受けられません。寄付そのものはできますが、全額が自己負担になります。

年金収入だけの場合、住民税が非課税になる方が少なくありません。判断の目安は、お住まいの自治体から届く住民税の通知書です。税額が「0円」なら、ふるさと納税をしても控除はありません。

この一点を確認せずに寄付してしまうのが、年金受給者でいちばん多い失敗です。

上限額が小さくなる理由

年金には公的年金等控除があり、収入から一定額が差し引かれてから課税所得が計算されます。ふるさと納税の上限額は住民税所得割額に比例するため、課税所得が下がれば上限額もそのぶん下がります。

さらに65歳以上は公的年金等控除の額が大きくなるため、同じ年金額でも65歳を境に上限額が下がることがあります。「去年と同じつもりで寄付したら超過していた」という誤差はここから生まれます。

控除上限シミュレーターで自分の上限額を計算する

年金と給与の両方がある場合

再雇用などで給与もある方は、年金と給与を合算した所得で上限額が決まります。片方だけで計算すると実際より小さく見積もることになります。

状況上限額の考え方確定申告
年金のみ公的年金等控除後の所得で計算不要な場合はワンストップ特例が使える
年金+給与両方を合算した所得で計算年金400万円以下かつ他所得20万円以下なら申告不要の場合あり
年金+事業・不動産所得合算した所得で計算確定申告が必要になることが多い

確定申告をする場合、ワンストップ特例は無効になります。ふるさと納税分も申告書に記載してください。違いはワンストップ特例制度 vs 確定申告 比較にまとめています。

医療費控除を使う年は、上限額が下がる

年齢が上がると医療費控除を使う年が出てきます。医療費控除で課税所得が下がると、ふるさと納税の上限額も下がります。

また、医療費控除を受けるには確定申告が必要なので、その年はワンストップ特例が使えません。「医療費控除を申告したらふるさと納税の控除が消えていた」というのは、この申告漏れが原因です。確定申告の際に、ふるさと納税分も一緒に記載してください。

返礼品は「重いもの」に注意

制度の話から少し離れますが、実務的な注意点です。米や飲料などの重い返礼品は、受け取りと保管の負担が大きくなります。定期便で分けて届くものを選ぶと、一度に大量に届く事態を避けられます。

冷凍品を選ぶ場合は、冷凍庫の空きも先に確認してください。

年金受給者のつまずきまとめ

つまずきどうなるか対策
住民税が非課税だった全額が自己負担になる住民税の通知書で税額を確認する
現役時代の感覚で寄付した上限を超えて自己負担が増える年金額で計算し直す
給与を計算に入れなかった上限を小さく見積もる(損)年金と給与を合算する
医療費控除を申告したワンストップ特例が無効になる確定申告でふるさと納税も記載
重い返礼品を大量に選んだ受け取りと保管が負担定期便で分けて受け取る

あわせて読む

出典

  1. 総務省「ふるさと納税ポータルサイト」 控除の仕組み
  2. 国税庁 No.1600「公的年金等の課税関係」 タックスアンサー No.1600
  3. 国税庁 No.1155「ふるさと納税(寄附金控除)」 タックスアンサー No.1155

本記事は一般的な整理であり、個別の税務判断は税理士または所轄の税務署にご確認ください。