ふるさと納税のポイント廃止は結局どうなったのか

最終更新日: 2026-09-02

2025年10月1日から、ふるさと納税の仲介サイト(ポータルサイト)が独自のポイントを付けて寄付を集めることが禁止されました。施行から1年近く経ち、「楽天が国を訴えたらしいが、その後どうなったのか」「もうポイントは一切付かないのか」という疑問が残ったままの方が多い論点です。2026年8月25日時点で確認できる事実だけで整理します。

先に結論

  • 禁止は今も施行されたままです。楽天グループが提訴していますが、訴訟の提起によって告示の効力は止まりません
  • ポイントが全部消えたわけではありません。「通常の買い物の決済で付くのと同じ範囲」は残ります。ただしこれはどのサイトで寄付しても同じだけ付くので、サイト選びの判断材料にはなりません
  • つまり「ポイント◯倍の日を狙う」という寄付の組み立て方そのものが成立しなくなりました。代わりに何で決めるかを、本記事の後半に寄付の仕方別の表で置いています

2026年8月時点で、何がどうなっているか

論点2026年8月25日時点の状況確認元
ポータルサイト独自のポイント付与禁止。施行中一次資料(告示)
決済手段の通常付与分対象外。残る一次資料(Q&A)
楽天グループの訴訟係属中。判決は確認できていない報道・楽天のリリース
告示の効力訴訟中も有効。ポイントは戻っていない一次資料(告示に停止の定めなし)

規制の内容

項目内容
告示日2024年6月28日(令和6年総務省告示第203号)
適用開始2025年10月1日(令和7年10月1日)
規制対象寄付に伴って寄付者に金銭その他の経済的利益を提供する者を通じた募集。ポイント・マイル・コインなど名称は問わない
対象外寄付の決済に伴って付くもののうち、通常の買い物の決済で付くのと同じ範囲のもの

どこまでが禁止か(総務省Q&Aの線引き)

「決済手段側で付くポイントなら大丈夫」と要約されることがありますが、総務省のQ&A(問1の3)はそこまで広く認めていません。同じクレジットカードのポイントでも、通常の買い物と同じ条件で付く分と、ふるさと納税を対象に上乗せされる分とを分けています。

付与のされ方扱い
ポータルサイト運営事業者が寄付に付随して付与するもの(マイル・コイン等、名称を問わない)禁止
ポイントサイトを経由してポータルサイトに移動し、寄付したときに付くもの禁止
カード会社・キャッシュレス決済事業者が、ふるさと納税の寄付決済を対象として追加的に付与するもの禁止
同じくカード会社等が、ふるさと納税以外のサービスの利用状況等に応じて追加的に付与するもの禁止
カード会社・キャッシュレス決済事業者が、通常の商取引の決済に伴って提供するものに相当する分対象外(残る)

残るのは最後の1行だけです。これはどのポータルサイトで寄付しても、同じ決済手段を使えば同じだけ付くものなので、サイトを選び分けても差がつきません。ポイントを軸にサイトを比べる意味が制度上なくなったということです。何を軸に選ぶかは「ふるさと納税おすすめサイト比較|条件別の選び方」で整理しています。

「楽天が訴えているから、そのうち戻る」のか

結論から言うと、訴訟が続いていることと、いま寄付するときにポイントが付かないことは別の話です。行政の告示は、それを争う訴訟が起こされても、それだけでは効力が止まりません。実際に2025年10月1日から施行され、現在も続いています。

時期できごと種別
2024年6月28日総務省が告示(令和6年総務省告示第203号)一次資料
2025年7月10日楽天グループが、告示の無効確認を求めて東京地方裁判所に提訴楽天のリリース
2025年9月16日東京地裁で第1回口頭弁論。国側は「事業者に原告適格はない」と主張したと報じられている報道
2025年10月1日ポイント付与禁止が施行一次資料
2026年8月25日本記事の更新時点で、判決の報道は確認できていない本サイトの確認状況

本サイトは訴訟の当事者ではなく、勝ち負けの予測やポイント復活の可否については書きません。確定した一次資料が出た時点で本記事を更新します。

ポイントが無くなって、実際いくら分が変わったのか

「改悪」と言われる規模を掴むために、金額の桁だけ見ておきます。以下の還元率は仮に置いた数字です。各サイトが以前どれだけ付けていたかは時期・キャンペーン・会員ランクによって違い、本サイトは当時の付与率を記録していないためです(記録していない数字を推定で載せると、根拠のない比較を1つ増やすことになります)。ご自身が覚えている率の列を見てください。

年間の寄付総額付与率1%だった場合3%だった場合5%だった場合
3万円300円900円1,500円
5万円500円1,500円2,500円
10万円1,000円3,000円5,000円
20万円2,000円6,000円10,000円

消えたのはサイト独自の上乗せ分だけで、決済手段の通常付与分は残ります。上の表はサイト独自分がまるごと消えた場合の目安です。なお、返礼品そのものの内容には今回の規制は関係ありません。返礼品の量が減ったと感じる場合は、別の要因(2026年10月からの指定基準の見直しや各自治体の判断)を見る必要があります。

ポイント前提をやめた後、何で決めるか

いちばん実務的な影響は金額よりも寄付の組み立て方です。あなたがこれまでどう寄付していたかによって、やることが変わります。左の列で自分に当てはまる行を探してください。

あなたのこれまでの寄付の仕方ポイント廃止で変わったこと今の決め方落とし穴
ポイント◯倍の日にまとめて寄付していた サイト間の差が制度上なくなった。日付を待つ理由が消えた 時期を分散させず、在庫と発送時期が都合の良いときに寄付する 「◯倍」表記が残っていても、決済手段側の通常分であればどのサイトでも同じ。表記だけでは差がつかない
ポイント目当てで複数サイトを使い分けていた 使い分ける理由が1つ減った 1サイトに寄せて、寄付履歴と控除書類を1か所にまとめる 寄付先が6自治体以上になるとワンストップ特例が使えず確定申告が必要(詳細
還元率ランキングを見て返礼品を選んでいた 変わらない。ランキングの還元率はもともとポイントとは別の数字 欲しいものを決めてから、内容量が1つに確定している掲載で比べる 同じ返礼品でも「500g〜5kg」のように容量に幅がある掲載が多く、どの容量で計算したかで率が何倍も変わる(検証結果
年末にまとめて駆け込んでいた 変わらない 決済が年内に完了する日程で組む。ワンストップの書類は翌年1月10日必着 申込日ではなく決済完了日で年が決まる。決済方法によって締切が違う(決済方法別の締切

ポイントの代わりに効くもの(桁の大きい順)

ポイント分を取り戻そうとするより、もともと桁の大きい要素から順に見たほうが効率的です。上の金額表のとおり、消えたサイト独自分は年間の寄付総額に対して数百円〜1万円程度です。それより大きく効くものが2つあります。

効くもの効き方確認の仕方
控除上限まで使い切れているか 上限を1万円残せば、返礼品1万円分(調達価格ベースで最大3,000円相当)をまるごと取り逃す。消えたポイント分より桁が大きくなりやすい 当サイトのシミュレーターで上限額を出し、今年の寄付済み額と比べる
上限を超えていないか 超えた分は控除されず、単なる自己負担になる。超過額がそのまま損 同じくシミュレーターで確認。年の途中で収入が変わった場合は再計算する
決済手段の通常還元 対象外として残る分。ただしどのサイトでも同じなので、サイト選びではなく決済手段の選び方の話になる 普段いちばん還元の大きい決済を、ふるさと納税でもそのまま使う
返礼品の容量あたりの価値 同じ寄付額でも掲載によって内容量が違う 容量が1つに確定している掲載を選んで比べる(手順

控除上限は年収だけでなく家族構成や他の控除でも動きます。「去年と同じ額でいいだろう」と考えて上限を割り込む・超えるのが、ポイント廃止より金額の大きい取りこぼしになりやすい箇所です。

この記事で「禁止」「対象外」をどう決めたか

ポイント規制は要約のされ方によって結論が変わりやすい論点なので、本記事の判断基準を明示しておきます。

  • 「禁止」「対象外」と書いたものは、総務省の告示・通知・Q&Aに明記があるものだけです。上の線引き表は、Q&A(問1の3)の記載を項目に分けたものです
  • 報道でしか確認できていないものは、報道と明記して分けています。訴訟の経過がこれにあたります。表の「種別」列がその区別です
  • 訴訟の結果とポイント復活の可否は書きません。予測になるためです
  • 各サイトが以前に何%付けていたかの実数値は載せません。当時の付与率を継続的に記録していないためです。金額の表で仮の率を使っているのはこの理由によります

よくある質問

ふるさと納税でポイントはもう一切付かないのですか?

一切ではありません。カード会社や決済事業者が、通常の買い物の決済に伴って提供するのと同じ範囲のものは対象外として残ります。禁止されたのは、ポータルサイトが寄付に付随して付けるものと、ふるさと納税を対象に上乗せされるものです。

楽天の訴訟で楽天が勝てばポイントは戻りますか?

本サイトは訴訟の結果を予測しません。確認できているのは、2025年7月10日に提訴され、2026年8月25日時点で判決の報道が確認できていないこと、そしてその間も告示は施行されたままだということです。

ポイントサイトを経由して寄付すればポイントは付きますか?

付きません。総務省のQ&Aは、ポイントサイトを経由してポータルサイトに移動し寄付したときに付くものを、明示的に禁止の側に置いています。

2025年9月以前に寄付した分のポイントは取り消されますか?

告示が適用されるのは2025年10月1日以降の募集です。それ以前の寄付について遡って取り消すという定めは、本サイトが確認した一次資料の中には見当たりませんでした。「無い」と断定できるものではなく、確認した範囲では見つからなかったという意味です。実際の扱いは各サイトの発表をご確認ください。

「ポイント◯倍」と書いてあるサイトはルール違反なのですか?

表記だけでは判断できません。決済手段側の通常付与分を案内しているのであれば対象外です。ただしその場合、同じ決済手段を使えばどのサイトでも同じだけ付くため、サイトを選ぶ理由にはなりません。

Amazonギフト券・ANAマイル・au PAY ポイントは今ももらえますか?

ブランド名が変わっても判定基準は同じです。ポータルサイトが寄付に付随して独自に上乗せするものであれば、名称がAmazonギフト券・ANAマイル・au PAYポイントのどれであっても「ポイント・マイル・コインなど名称は問わない」の対象で禁止されています(本記事「規制の内容」参照)。一方、決済手段側が通常の買い物と同じ条件で付与するもの(例えば普段からマイルが貯まるカードで決済した分)は対象外です。同じ「ANAマイル」でもどちらの経路で付くかで扱いが変わるため、どの経路かは各ポータルサイトの現在の説明で確認してください(本サイトは特定ポータルの現在の提供内容までは確認・追跡していません)。

Amazonふるさと納税のやり方・使い方はありますか?

Amazonは2024年12月19日から、自社サイト内に「Amazonふるさと納税」というサービスを設けています(出典参照)。Amazonの検索窓や専用ページから返礼品を選び、既存のAmazonアカウント・Amazon Payの支払い方法でそのまま寄付できる仕組みで、参画自治体・返礼品数とも他の大手ポータルサイトに匹敵する規模です。ポイントの扱いは運営元がAmazonであっても本記事の線引きと同じで、ポータルサイトが寄付に付随して独自に上乗せするポイントは2025年10月1日以降どの運営元でも禁止の対象です(本記事「規制の内容」参照)。どのサイトで寄付するかは、ポイントではなく返礼品や使い勝手で比べることになります。

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この記事を書いている立場について

本サイト「ふるさと控除ラボ」はポータルサイトではありません。寄付の受付も返礼品の発送も行っておらず、特定のポータルや自治体の側に立った記述はしていません。

記事は生成AIが、総務省・国税庁の公表資料の原文から作成しています。人による寄付の体験談・返礼品のレビューは掲載していません(実際に寄付した人がいないためです)。

制度の先行き(訴訟の結果、ポイント還元の復活、各社の対応)については予測を書きません。確定した一次資料が出た時点で記事を更新します。

あわせて読む

出典

  1. 総務省「平成三十一年総務省告示第百七十九号(特例控除対象寄附金の対象となる都道府県等の指定に係る基準等を定める件)の一部を改正する件」(令和6年総務省告示第203号・令和6年6月28日) https://www.soumu.go.jp/main_content/000956052.pdf
  2. 総務省「ふるさと納税に係る指定制度の運用についてのQ&Aについて」(令和8年4月1日付け総税市第33号)問1の3 https://www.soumu.go.jp/main_content/001067605.pdf
  3. 総務省「ふるさと納税に係る指定制度の運用について」(令和8年6月26日総税市第71号)3.(1) https://www.soumu.go.jp/main_content/001079766.pdf
  4. 総務省 ふるさと納税ポータルサイト「告示・通知等」 https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/jichi_zeisei/czaisei/czaisei_seido/furusato/archive/index.html
  5. 楽天グループ株式会社「ふるさと納税へのポイント付与を禁止する総務省告示の無効確認を求める訴訟の提起について」(2025年7月10日) https://corp.rakuten.co.jp/news/press/2025/0710_01.html
  6. 日本経済新聞「ふるさと納税、ポイント付与サイトでの募集禁止 総務省」(報道) https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA253HO0V20C24A6000000/
  7. 日経ビジネス「国『楽天に訴訟の資格なし』 ふるさと納税ポイント訴訟、対立鮮明」(報道・第1回口頭弁論の内容) https://business.nikkei.com/atcl/gen/19/00788/091900001/
  8. アマゾンジャパン合同会社「日本全国の地域活性化に貢献『Amazonふるさと納税』」(2024年12月19日・About Amazon Japan) https://www.aboutamazon.jp/news/economic-and-community-contributions/amazon-furusato-to-support-regional-revitalization-in-japan